A.セルフヘルプ・グループ(Self-Help Groups)は、同じ問題を抱えた人たちが集まって助け合いながら問題の解決・改善をめざす団体のことです。
吃音者本人が発起人となって、吃音問題に取り組むすたっと京都は“吃音者のセルフヘルプ・グループ”です。一方、問題の当事者でない人(研究者、カウンセラーなど)がサービスを提供する団体のことをサポート・グループといい、別のものとされています。
セルフヘルプ・グループに参加する一番のメリットは、同じ問題を抱える人と知り合うことで「私はひとりではない、つながっている」と思えることです。また、ありのままの姿でいられる場を経験することは自分を受容することにつながります。ただ、サポート・グループと違って、運営面からすべてを当事者が行わなくてはなりません。「自分自身がその問題に取り組まなければならない」、自主性が必要になるわけです。大変だけれども、仲間と一緒にできる、そんな感じです。
すたっと京都のめざすところをセルフヘルプの基本に当てはめてみると以下のようになるでしょう。
(1)吃音症状の軽減
各自が抱えている悩みを話し合うことで、その軽減をはかります。吃音(どもり)症状を改善する有効な方法がある場合に取り組むのはもちろん、吃音をもちながらもコミュニケーションを円滑におこなうための学習をします。
(2)吃音とのつきあい方を学ぶ
成人の吃音症状は一般に年齢を重ねるうちに改善されるが完治するものではないと言われています。吃音をもちながら充実した人生を送る「つきあい方」を考えます。
(3)安心できる居場所
同じ症状をもった人にしか分からない悩みがあります。グループに行けば、安心して本音を話すことができる、仲間がいると実感できる場所を作ります。
(4)情報交換
治療方法、勉強会の開催予定、最新の研究動向など、お互いがもっている情報を交換します。また個人では得ることができない情報をグループが提供することもできます。
(5)社会に対する働きかけ
どもり(どもる人)がいることは世の中に認知されていますが、吃音症状が具体的にどのようなものであるのか、どのような悩みがあるのかはまだ理解されていません。吃音者が生きやすくなるため、社会に対しても働きかけます。
※セルフヘルプについては、セルフヘルプの小箱(岡 知史さんのページ)、かながわボランティアセンターのページなどに詳しく掲載されています。